事前にバッテリーを充電しておくことで、電源を確保することなく冷蔵機能が使えるバッテリー内蔵冷蔵庫。
バッテリーがある限り冷却できるのですが、稼働時間は10~24時間程度と長くはないようです。仕様書では24時間使用可能なバッテリー内蔵冷蔵庫を、1泊2日のキャンプで実際に使用してみると、就寝中にバッテリーが切れ、ただのクーラーボックスになっていたこともあります。使い方を誤れば、数時間程度でバッテリーを消費することも。
実際にキャンプでバッテリー内蔵冷蔵庫を使用し、さまざまな失敗の積み重ねから得た、バッテリーの消費を抑えて長時間稼働させる方法の数々。
このページでは、バッテリー内蔵冷蔵庫の稼働時間、すなわちバッテリーを長持ちさせるコツをご紹介します。
バッテリーは何時間持つの?
バッテリー内蔵冷蔵庫の価格も気になりますが、一番気になるのはバッテリーの持ち時間ではないでしょうか?
24時間保冷できる冷蔵庫といっても、それは一定条件下での使用であって、使用条件を外れると稼働時間は短くもなり、長くもなります。私が実際に使用しているバッテリー内蔵冷蔵庫は、庫内温度3℃設定で24時間稼働(Eco設定時)する仕様ですが、キャンプで実際に使用すると半日しかバッテリーが持ちませんでした。
24時間バッテリーが持たなかった理由は分かっています。
あんな使い方してたら持つわけがないじゃないか!と猛反省しています。
麦茶を飲むため何回も冷蔵庫の蓋(フタ)を開け閉めする
夏場のキャンプだったので、喉が渇いて麦茶を飲む半端ない回数。
私に、嫁、子供と、何度もバッテリー内蔵冷蔵庫の蓋を開けて麦茶を取り出すこと十数回。
蓋を開ける度に冷気が逃げ、庫内の温度が上昇。
庫内を冷やすためコンプレッサーが作動し、バッテリーを消費するのだから24時間持つわけがありません。
食材を探すために冷蔵庫の蓋を開けっ放し
バーベキュー用の焼肉のたれは、どこに入れただろうか?
サラダにかけるマヨネーズが見つからない!
キャンプ以外でもこんな経験があるはずです。
目的の食材を探すため冷蔵庫の蓋を開けっ放しにする。
奥に入れた食材を出すため、冷蔵庫の蓋を開けっ放にして上部の食材を一旦外に出す。
これらの動作でどれだけの冷気が外部に放出されるのでしょうか?
失われた冷気を蓄熱するため、バッテリーに蓄えられた電気を使用するのだから、当然、使用時間は短くなります。
常温の食材・飲食を冷蔵庫で冷やす
夕食の後、冷たい麦茶がなくなったので、バッテリー内蔵冷蔵庫に常温の麦茶を入れて冷やす。
この行為が一番駄目でした。
麦茶を冷やすためにコンプレッサーが長時間駆動し、バッテリーがなくなってしまったのです。
みんなが寝静まった頃、喉が渇いたので冷蔵庫からペットボトル入りの麦茶を出すと、ペットボトルの表面が結露し、水滴が付いている??
何故か思い、冷蔵庫のディスプレイを見ると、バッテリーレベルが低下し、止まっているではないですか!
最初は不良品をつかまされたと憤っていたのですが、キャンプ場での行動を振り返ると問題点があるある!なので、猛反省し、改善案を検討&実践してみました。
冷蔵庫のバッテリーを節約する
バッテリー内蔵冷蔵庫の稼働時間を伸ばすには、バッテリーをいかに節約するか、即ちコンプレッサーの作動回数を最低限にできるかです。その方法は、家庭用冷蔵庫の節電対策と同様であると考えても差し支えありません。
ポイント① 冷蔵庫の蓋を開け閉めする回数を減らす
キャンプで一番、バッテリー内蔵冷蔵庫を開け閉めするのはどのタイミングでしょうか?
食事の準備中 or 飲料を飲む時?
答えは後者です。
お茶やスポーツドリンクは1日何回飲むか考えてみると、夏のキャンプなら一人当たり10回前後は水分を摂っているのではないでしょうか?
仮に4人家族がお茶を飲むため、各自バラバラで冷蔵庫の蓋を10回開け閉めすると、トータルで40回も蓋を開け閉めすることになります。実際、自分のお茶をコップに注いだついでに家族の分も入れることがありますので、それ以下の回数にはなりますが、それでもかなりの回数、冷気を外部に逃すことになります。
あらかじめお茶のペットボトルをテーブルの上に出しておけば、冷蔵庫の蓋を開け閉めする回数は激減します。ですが、最初は冷たかったお茶が、時間が経つにつれて外気温と同じくらいの温度に。
春や秋ならまだいいですが、夏のキャンプは冷たい麦茶が良い!
こういう時に便利なのが魔法瓶構造のウォータージャグ(もしくは水筒)です。
冷えた麦茶を入れておけば、レバーを押すか引くかすれば簡単に麦茶をコップに注ぐことができます。
1日に必要な量の麦茶をウォータージャグに入れておけば、お茶を取り出すため冷蔵庫を開ける回数は1回で済みます。蓋を開ける回数とお茶を取り出す手間を減らせ、さらに冷気の放出も防止できるのです。
ポイント② 冷蔵庫の蓋を開ける時間を短くする
冷蔵庫の奥に入れた食材を取り出すため、上部の食材を全て取り出した経験はないでしょうか?
また、調味料などの小物を探すため、冷蔵庫の隅から隅まで探した経験はどうでしょうか?
キャンプの際も、少なからずこういった経験があるはずです。
私も食材を探すため、結構長い時間、冷蔵庫の蓋を開放したものです。
冷蔵庫の一番下に缶ビールと麦茶のペットボトルを入れ、次に玉子やお肉と…
最後に一番柔らかい焼そば用の麺を入れる。食材を使う順番に入れてもいいのですが、柔らかいもの、例えば麺を冷蔵庫の底に入れてしまうと潰れてしまうのは、容易に想像できるでしょう。
重い物は下に、軽い物や柔らかい物は上が基本です。
実際、このスタイルでバッテリー内蔵冷蔵庫を運用すると、目的の食材を取り出すため他の食材をかき分けながら探したり、他の食材を一旦外に出して引っ張り出したりするものだから、結構な時間、冷蔵庫の蓋が開けっ放しになります。
もっと冷蔵庫の中を整理整頓できればいいのですが?
その方法として、タッパーをキャンプで活用してみました。
バーベキューの材料となるウインナーやホタテ、エビ、イカなどをあらかじめタッパに詰めておくのです。複数の食材を一つ、もしくは少数のタッパーに。
タッパーの中で異なる食材同士が混ざらないよう、サランラップ等に分けてくるんでおくと良いでしょう。こうすると食材が整理整頓され、短時間で目的の食材を探がすことができます。その結果、冷蔵庫を開閉する時間も短くなるというわけです。
麺をタッパーに入れておけば、潰れる心配をしなくて済みます。食材の固さに関わらず、使う順番を考えて冷蔵庫に詰め込むことが可能です。
タッパーの利用は、冷蔵庫のバッテリー消耗を抑える以外に、キャンプにおいて発生するゴミの削減にもつながります。ゴミが処分できるキャンプ場ならいいですが、持ち帰りが必要な場合、車にゴミ袋を積み込むことになります。
もしゴミ袋に穴が空いていたら生ゴミ等の汁が車内に…
バーベキュー用の食材など、あらかじめ下ごしらえし、タッパーに詰めてキャンプに持ち込めば、ゴミの絶対的な量を減らせるほか、キャンプ場での調理時間も短縮でき、有意義に過ごせます。
ポイント③ 食材・飲料は冷やしたものを入れる
私が使用しているバッテリー内蔵冷蔵庫は、2泊分の食材や飲料を入れる程の大きさを有していません。必然と冷蔵保存が必要な食材を冷蔵庫に入れ、常温保存できる飲料を冷やさずキャンプ場に持ち込むことになります。
1泊目の夕食で食材の一部が胃袋に収まると、冷蔵庫にスペースができるのでそこに常温の飲料を入れると…
前述したように冷蔵庫のバッテリーがあっという間に消耗しました。常温の飲料を冷やすため、コンプレッサーがフル稼働するのだから当たり前のことです。
電源があるキャンプ場なら家庭の冷蔵庫と同じ感覚で使用できますが、電源のないキャンプ場では常温の食材・飲料は庫内に入れないが鉄則です。
もし、ここで、あらかじめ冷やしておいた飲料・食材を冷蔵庫に入れたらどうでしょうか?
本当はもう一台、キャンプ用にバッテリー内蔵冷蔵庫を調達したいところですが、予算の関係により、私はバッテリー内蔵冷蔵庫とクーラーボックスの2つを活用しています。
お肉や魚介類など適正な温度管理が必要な食材は優先的に冷蔵庫に入れ、クーラーボックスには野菜や冷蔵庫に入りきらなかった飲料を入れる。ちなみに、保冷剤の保冷時間は使用環境や種類によってまちまちですが、私の使用環境においては2日弱持っています。
冷蔵庫に空きスペースが生まれるたら、クーラーボックスから食材・飲料を適宜、移動させます。
クーラーボックスの中の物は保冷剤で冷やされていますから、冷蔵庫が長時間運転することはありません。クーラーボックスと冷蔵庫の温度差がないほど、冷蔵庫のバッテリーは節約できます。
ポイント④ 冷蔵庫に凍らせた飲料を入れる
バッテリー内蔵冷蔵庫はコンプレッサーと呼ばれるポンプを作動させることで冷気を得ていますが、駆動源はバッテリーで有限です。コンプレッサー以外の冷却源があればバッテリーの消費を抑制できるのですが、簡単に冷却源を追加することはできないのでしょうか?
例えば、家庭の冷蔵庫で凍らしたペットボトル入り飲料を冷却源にする!
凍らしたペットボトル入り飲料をクーラーボックスに入れておけば、2日以上は完全に溶けません。これを氷の代わりとして冷蔵庫の奥に入れておけば保冷材の代わりとなり、コンプレッサーの稼働回数がかなり削減できます。
実際、2L入りの麦茶を凍らせ、それをバッテリー内蔵冷蔵庫の奥に入れて夏キャンプを行った結果、コンプレッサーの1回目の駆動が深夜であったという結果が得られています。
つまり、凍らせた飲料が保冷剤の代わりとなり、10時間以上、コンプレッサーを駆動させることなく保冷し続けたということです。私自身、コンプレッサーがなかなか駆動しないので、冷蔵庫や温度センサーが壊れたのではないかとドキドキしてました。
凍らせた飲料は完全に溶けることなく、キャンプ3日目の昼まで保冷剤の役割を果たしてくれました。
凍らせた飲料の代わりに保冷剤を冷蔵庫の奥に入れる方法もありますが、私の使用環境においては、保冷剤よりも凍らせた2L飲料(麦茶)の方がバッテリーが長持ちしました。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、バッテリー内蔵冷蔵庫のバッテリーを長持ちさせるコツをご紹介しました。
冷蔵庫のバッテリーを長持ちさせる基本は、コンプレッサーの稼働回数、すなわち稼働時間を減らすことです。今回ご紹介したコツを参考に、バッテリー内蔵冷蔵庫をキャンプで活用してくださいね。